公開日:2017/06/02 最終更新日:2017/08/02

JVN#24087303
環境省が提供する報告書作成支援ツールのインストーラにおける任意のDLL読み込みの脆弱性

概要

環境省が提供する報告書作成支援ツールのインストーラには、DLL 読み込みに関する脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • 報告書作成支援ツールver3.03(新規インストール用) (平成29年5月31日(水)~平成29年6月12日(月)間にHP上に掲載されていた版)
  • 報告書作成支援ツールver3.02(新規インストール用) (平成29年4月4日(火)~平成29年5月18日(木)間にHP上に掲載されていた版)
  • 報告書作成支援ツールver2.0以降(新規インストール用) (平成29年4月4日(火)より前にHP上に掲載されていた版)

詳細情報

環境省が提供する報告書作成支援ツールのインストーラには、DLL を読み込む際の検索パスに関する処理に不備があり、意図しない DLL を読み込んでしまう脆弱性が存在します。

想定される影響

インストーラを実行している権限で、任意のコードを実行される可能性があります。

対策方法

最新のインストーラを使用する
2017年6月12日以前にホームページに掲載されていた報告書作成支援ツール(Ver2.0~3.03) をダウンロードしているユーザは、インストールせず速やかに削除してください。インストールする場合は、最新版の報告書作成支援ツール(Ver3.04) をダウンロードしなおしてから、インストールしてください。

開発者によると、当該インストーラを削除した後、念のため最新のパターンファイルを適用しているウィルス対策ソフト等でのウィルススキャンを推奨するとのことです。

本脆弱性の影響を受けるのはインストーラの起動時のみです。報告書作成支援ツールをインストール済みの既存ユーザは影響を受けません。

詳しくは、製品開発者が提供する情報をご確認ください。

参考情報

  1. Japan Vulnerability Notes JVNTA#91240916
    Windows アプリケーションによる DLL 読み込みやコマンド実行に関する問題

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 7.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:P
基本値: 6.8
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

ユーザのシステムを攻撃する目的で作成された DLL ファイルを、攻撃者の意図する場所にユーザが自ら配置することを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 橘総合研究所 英利 雅美 氏、Pink Flying Whale 黒翼猫 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2017-2209
JVN iPedia JVNDB-2017-000119

更新履歴

2017/06/05
[関連文書]に JVN iPedia のリンクを追加しました。
2017/06/13
[影響を受けるシステム]と[対策方法]の記述を更新しました。
2017/08/02
[影響を受けるシステム] と [対策方法] の記述を更新し、[謝辞] に追記をしました。