公開日:2018/03/13 最終更新日:2018/03/13

JVN#30864198
ArsenoL におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性

概要

ArsenoL には、クロスサイトスクリプティングの脆弱性が存在します。

ベンダ情報、製品情報

開発者:FlaFla...

届出のあったソフトウエア製品名およびバージョン:ArsenoL Version 0.5

詳細情報

FlaFla... が提供する ArsenoL は、インターネットでダウンロード可能なソフトウェアです。ArsenoL は、ウェブサイトに設置して使用する、単語とその意味を投稿するための辞典ソフトウエアです。 ArsenoL には、当該製品が設置されたウェブサイトの閲覧者(以降、被害者)が攻撃者の作成した罠ページにアクセスすることにより、意図しないスクリプトが実行されるクロスサイトスクリプティング (CWE-79) の脆弱性が存在します。

想定される影響

本脆弱性により、ArsenoL が設置されたウェブサイトに、被害者が罠リンクを経由して誘導されることで、閲覧しているウェブページに一時的に偽の情報が表示されたり、被害者のウェブブラウザに保持された Cookie などの情報が漏えいしたりする可能性があります。

対策方法

ArsenoL Version 0.5 の使用中止を検討してください
製品開発者と連絡が取れないため、本脆弱性の対策状況は不明です。

ベンダの見解

なし

JPCERT/CCからの補足情報

この案件は、2015年11月24日に開催された公表判定委員会による審議にて、平成26年経済産業省告示第110号および、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドラインにおける、次のすべての条件を満たすことを確認したため、JVN で公表することが適当と判定されたものです。

  1. 当該案件が連絡不能であること
    製品開発者への連絡先が確認できず、以下の対応を実施したが一定期間 (9カ月以上) 応答がないため、社会通念上連絡不能であると判断。

    - 「連絡不能開発者一覧(開発者名)」の連絡よびかけ (2011/09/29) に対して応答が無い
    - 「連絡不能開発者一覧(補足情報)」の情報提供依頼 (2011/12/16) に対して応答が無い

  2. 脆弱性が存在すると判断できること
    当該ソフトウエア製品は、URLクエリの処理が適切に行われておらず、結果として製品利用者のウェブブラウザ上で任意のスクリプトが実行され、閲覧しているウェブページに一時的に偽の情報が表示されることから、完全性が侵害される。このため、当該ソフトウエア製品に脆弱性が存在すると判断。
    ※ 末尾に記載の「検証情報」を参照のこと。

  3. 公表しない限り、当該脆弱性情報を知り得ない製品利用者がいるおそれがあること
    当該ソフトウエア製品は複製・改変・頒布が可能であり、ダウンロードして利用可能な製品である。そのため、製品開発者が当該ソフトウエア製品の製品利用者全員を把握できず、確実に通知することは困難であり、公表しない限り当該脆弱性情報を知り得ない製品利用者がいるおそれがあると判断。

  4. 公表が不適切であると判断する理由・事情がないこと
    製品開発者の取組みや製品利用者の状況を鑑みて、公表によって社会的混乱を招くなどの公表することが不適切であると判断する明確な理由・事情がないと判断。

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:C/C:L/I:L/A:N
基本値: 6.1
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:N/I:P/A:N
基本値: 4.3
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

検証情報

IPA にて、届出で提供された情報をもとに、脆弱性の再現を確認しました。

実施日

  • 2015年4月8日
検証環境(サーバ)
  • Debian 7.8
  • Apache 2.2.22
  • Perl 5.14.2
  • ArsenoL バージョン 0.5
検証環境(クライアント)
  • Microsoft Windows 7 Professional SP1    
  • Microsoft Internet Explorer 11.0.9600.16428 XSS フィルター無効
  • Google Chrome 41.0.2272.118m                XSS フィルター無効
  • Mozilla Firefox 36.0.1
  • Opera 28.0.1750.48
検証結果
  • 次のウェブブラウサで、ArsenoL においてスクリプトが実行されることを確認
    Microsoft Internet Explorer 11.0.9600.16428 XSS フィルター無効
    Mozilla Firefox 36.0.1

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2018-0534
JVN iPedia JVNDB-2018-000900