公開日:2020/02/10 最終更新日:2020/02/10

JVN#34535327
HtmlUnit において任意のコードが実行可能な脆弱性

概要

HtmlUnit には、任意のコード実行が可能となる脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • HtmlUnit 2.37.0 より前のバージョン

詳細情報

HtmlUnit は、Java アプリケーションに web ブラウザ機能を提供するライブラリです。内部に組み込まれている Mozilla Rhino エンジンにより、JavaScript コードの実行にも対応しています。また、Mozilla Rhino エンジンは、JavaScript コードから Java オブジェクトへのアクセスを可能とする機能を提供しています。
HtmlUnit による Rhino エンジンの初期化には不適切な部分が存在し、細工された JavaScript コードによって任意の Java コードを実行させられる可能性があります(CWE-284)。
また、HtmlUnit を Android アプリケーションに組み込んで使う場合も、HtmlUnit による Rhino エンジンの Android 向け初期化に不適切な部分があるため、細工された JavaScript コードによって任意の Java コードを実行させられる可能性があります。

想定される影響

中間者攻撃(Man-In-The-Middle attack)などの方法により、対象とするアプリケーションが細工された JavaScript コードを実行し、それによって任意の Java コードを実行させられる可能性があります。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。

ベンダ情報

ベンダ リンク
HtmlUnit Release HtmlUnit-2.37.0

参考情報

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L
基本値: 5.6
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:H/Au:N/C:P/I:P/A:P
基本値: 5.1
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

対象となるアプリケーションが自動的に Web コンテンツを取得して実行すること、および中間者攻撃が行われることを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 合同会社DMM.com 市原良平 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2020-5529
JVN iPedia JVNDB-2020-000011