公開日:2017/08/17 最終更新日:2017/08/17

JVN#53292345
定期報告書作成支援ツールにおける DLL 読み込みに関する脆弱性

概要

経済産業省資源エネルギー庁が提供する定期報告書作成支援ツールには DLL 読み込みの脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • 定期報告書作成支援ツールv4.0

詳細情報

経済産業省資源エネルギー庁が提供する定期報告書作成支援ツールには、DLL を読み込む際の検索パスに問題があり、同一ディレクトリに存在する特定の DLL を読み込んでしまう脆弱性 (CWE-427) が存在します。
当該製品は ZIP 形式で配布されており、ユーザはホームディレクトリ上で ZIP ファイルを展開し、当該製品をそのまま実行することが想定されます。展開場所に、細工された DLL が一緒に置いてある状態で当該製品を実行すると、細工された DLL が読み込まれ、DLL に含まれているコードが実行されてしまいます。

想定される影響

定期報告書作成支援ツールを実行している権限で、任意のコードを実行される可能性があります。

対策方法

最新版を使用する
定期報告書作成支援ツールの最新版を使用してください。
定期報告書作成支援ツールv4.1 においては、当該製品はシステム領域にインストールされます。そのため、当該製品と同一のディレクトリ上に、細工された DLL を第三者によって配置される、もしくは被害者自ら意図せず置いてしまうリスクが軽減されます。

ベンダ情報

ベンダ リンク
経済産業省資源エネルギー庁 新しい定期報告書作成支援ツールのダウンロード

参考情報

  1. Japan Vulnerability Notes JVNTA#91240916
    Windows アプリケーションによる DLL 読み込みやコマンド実行に関する問題

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 7.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:P
基本値: 6.8
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

ユーザのシステムを攻撃する目的で作成された DLL ファイルを、攻撃者の意図する場所にユーザが自ら配置することを想定しています。

謝辞

この脆弱性情報は、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップに基づき下記の方が IPA に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
報告者: 三井物産セキュアディレクション株式会社 吉川 孝志 氏

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2017-2228
JVN iPedia JVNDB-2017-000154