公開日:2009/12/16 最終更新日:2010/05/21

JVNVU#508357
Adobe Reader および Acrobat における解放済みメモリを使用する脆弱性
緊急

概要

Adobe Reader および Acrobat の Doc.media.newPlayer メソッドには、解放済みメモリを使用する (use-after-free) 脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • Adobe Reader および Acrobat 9.2 およびそれ以前

詳細情報

Adobe Reader および Acrobat は、JavaScript をサポートしています。Doc.media オブジェクトの newplayer() メソッドには、解放済みメモリを使用する (use-after-free) 脆弱性が存在します。

2009年12月16日現在、本脆弱性を使用した攻撃活動が観測されています。

想定される影響

細工された PDF ドキュメントを閲覧した場合に、アプリケーションがクラッシュしたり、任意のコードを実行されたりする可能性があります。

対策方法

アップデートする
Adobe が提供する情報をもとに最新版へアップデートしてください。

ワークアラウンドを実施する
対策版が公開されるまでの間、以下の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。

  • Adobe Reader および Acrobat で JavaScript を無効にする
  • ウェブブラウザ上での PDF ファイルの表示を無効にする
    PDF 表示を無効にする設定方法は、ウェブブラウザにより異なります。
  • 不審な PDF ファイルを開かない
    不審なメールに添付されている PDF ファイルを開いたり、不審なウェブサイトに掲載されている PDF ファイルを開かないようにする。

参考情報

  1. US-CERT Vulnerability Note VU#508357
    Adobe Acrobat and Reader contain a use-after-free vulnerability in the JavaScript Doc.media.newPlayer method

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

2009.12.16における脆弱性分析結果  緊急

評価尺度 攻撃成立条件 評価値
攻撃経路 インターネット経由からの攻撃が可能
認証レベル 匿名もしくは認証なしで攻撃が可能
攻撃成立に必要なユーザーの関与 リンクをクリックしたり、ファイルを閲覧するなどのユーザ動作で攻撃される
攻撃の難易度 専門知識や運がなくとも攻撃可能

各項目の詳しい説明

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告 JPCERT-AT-2009-0027
Adobe Reader 及び Acrobat の未修正の脆弱性に関する注意喚起
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2009-4324
JVN iPedia JVNDB-2009-002451

更新履歴

2010/01/14
対策方法の更新、ベンダ情報および関連文書にリンクを追加しました。
2010/05/21
関連文書に JVN iPedia へのリンクを追加しました。