公開日:2020/12/24 最終更新日:2020/12/24

JVNVU#93089606
Veritas 製 Veritas Backup Exec に権限昇格の脆弱性

概要

Veritas 社が提供する Veritas Backup Exec には、権限昇格の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • Veritas BackupExec バージョン 20.x
  • Veritas BackupExec バージョン 21.x
  • Veritas BackupExec バージョン 16.x
なお、開発者によるとサポート終了したバージョンも影響を受ける可能性があるとのことです。

詳細情報

Veritas BackupExec は、OpenSSL コンポーネントを配置するためのフォルダを環境変数 OPENSSLDIR によって /usr/local/ssl/ として指定しています。このパスは、Windows システムでは、 C:\ などのデフォルトのインストールドライブ、またはアプリケーションのルートディレクトリ直下にある usr\local\ssl と解釈されます。これらのフォルダは一般ユーザの権限で書き込みが可能ですが、当該製品においては SYSTEM 権限でプログラムが起動されるため、細工された openssl.cnf を配置されることにより、 SYSTEM 権限で任意のコードを実行してしまう可能性があります。

想定される影響

当該製品がインストールされている Windows システムにおいて、SYSTEM 権限で任意のコードを実行される可能性があります。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。
なお Veritas Update により、自動でアップデートされるとのことです。

  • Veritas Backup Exec 21.1 Hotfix 657517
  • Veritas Backup Exec 20.6 Hotfix 298543

アップグレードする
Veritas Backup Exec バージョン 16.x およびそれ以前のバージョンを使用している場合、
Veritas Backup Exec 21.2 へのアップグレードが推奨されています。

ワークアラウンドを実施する
以下の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。
  • システムが利用する全てのドライブルート直下に 管理者アカウントで \usr\local\ssl ディレクトリを作成し、アクセス制御リストにより上記ディレクトリへの一般ユーザの書き込みを禁止する

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#429301
    Veritas Backup Exec is vulnerable to privilege escalation due to OPENSSLDIR location

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
基本値: 9.3
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2019-1552
JVN iPedia

更新履歴

2020/12/24
[対策方法]製品名に誤りがあったため、修正しました。