公開日:2021/07/20 最終更新日:2021/07/21

JVNVU#94348759
三菱電機製 MELSEC F シリーズ Ethernet インタフェースブロックにおける NULL ポインタ参照の脆弱性

概要

三菱電機製 MELSEC F シリーズ Ethernet インタフェースブロックには、NULL ポインタ参照の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • FX3U-ENET ファームウェアバージョン 1.14 およびそれ以前
  • FX3U-ENET-L ファームウェアバージョン 1.14 およびそれ以前
  • FX3U-ENET-P502 ファームウェアバージョン 1.14 およびそれ以前

詳細情報

三菱電機製 MELSEC F シリーズ Ethernet インタフェースブロックには、NULL ポインタ参照 (CWE-476CVE-2021-20596) の脆弱性が存在します。

想定される影響

遠隔の第三者によって細工された不正なパケットを当該製品が受信した場合、エラーが発生し通信がサービス運用妨害 (DoS) 状態となる可能性があります。なお、システムをリセットすることで、サービス運用妨害 (DoS) 状態からの復旧は可能です。

開発者によると、MELSEC F シリーズの基本ユニットの制御への影響はないとのことです。

対策方法

アップデートする
修正済みのファームウェアバージョンは次の通りです。

  • FX3U-ENET ファームウェアバージョン 1.16 およびそれ以降
  • FX3U-ENET-L ファームウェアバージョン 1.16 およびそれ以降
  • FX3U-ENET-P502 ファームウェアバージョン 1.16 およびそれ以降
アップデート方法等の詳細につきましては、開発者が提供する情報を参照の上、製品を購入した開発者の支社、代理店にお問合せください。

ワークアラウンドを実施する
次の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。
  • 当該製品をインターネットに接続する場合には、ファイアウォールや仮想プライベートネットワーク (VPN) 等を使用する
  • 当該製品を LAN 内で使用し、信頼できないネットワークやホストからのアクセスをファイアウォールでブロックする

参考情報

  1. ICS Advisory (ICSA-21-201-01)
    Mitsubishi Electric MELSEC-F Series

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
基本値: 7.5
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)

謝辞

この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者が JPCERT/CC に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE
JVN iPedia

更新履歴

2021/07/21
[対策方法] の誤植を修正し、[参考情報] に ICS Advisory のリンクを追加しました。