公開日:2020/12/02 最終更新日:2020/12/02

JVNVU#95940991
Schneider Electric 製 EcoStruxure Operator Terminal Expert に不適切な権限管理の脆弱性

概要

Schneider Electric 社が提供する EcoStruxure Operator Terminal Expert (旧製品名: Vijeo XD) には、不適切な権限管理の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • EcoStruxure Operator Terminal Expert Runtime 3.1 Service Pack 1A およびそれ以前がインストールされている次の機器
    • legacy BIOS モードで動作している Windows PC
      • UEFI BIOS モードで動作している Windows PC は、この脆弱性の影響を受けません。
    • legacy BIOS モードで動作している Harmony iPC (HMIG5U, HMIG5U2)

詳細情報

Schneider Electric 社が提供する EcoStruxure Operator Terminal Expert は、オートメーションシステム制御向けタッチスクリーン設定用ソフトウェアです。
EcoStruxure Operator Terminal Expert には、当該製品のランタイムソフトウェアによってインストールされたドライバーに起因する不適切な権限管理の脆弱性 (CWE-269) が存在します。

想定される影響

ローカルの第三者によりワークステーション上で権限昇格され、本来実行が許可されていないコマンドを実行される可能性があります。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、最新版にアップデートしてください。

  • EcoStruxure Operator Terminal Expert 3.1 Service Pack 1B
ワークアラウンドを実施する
以下の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。
  • 信頼されたワークステーション上で、EcoStruxure Operator Terminal Expert を実行する
  • Schneider Electric 社のベストプラクティスガイドライン (Recommended Cybersecurity Best Practices) に従ってセキュリティ対策を実施する
  • UEFI BIOS モードで動作している Windows PC を使用する
    • Windows システム情報を取得するコマンド msinfo32.exe を実行することで BIOS モードの確認ができます
詳細はベンダが提供する情報を確認してください。

参考情報

  1. ICS Advisory (ICSA-20-336-01)
    Schneider Electric EcoStruxure Operator Terminal Expert runtime (Vijeo XD)

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
基本値: 7.4
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2020-7544
JVN iPedia