公開日:2020/10/29 最終更新日:2024/09/05

JVNVU#96558207
三菱電機製 MELSEC iQ-R、Q および L シリーズにおけるリソース枯渇の脆弱性

概要

三菱電機株式会社が提供する MELSEC iQ-R、Q および L シリーズの CPU ユニットには、リソース枯渇の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

MELSEC iQ-R、Q および L シリーズの CPU ユニットのうち、次の製品形名とファームウェアバージョン、本体 OS ソフトウェアバージョンおよびシリアル No. のものが影響を受けます。

  • iQ-Rシリーズ
    • R00/01/02CPU ファームウェアバージョン "20" およびそれ以前
    • R04/08/16/32/120(EN)CPU ファームウェアバージョン "52" およびそれ以前
    • R08/16/32/120SFCPU ファームウェアバージョン "22" およびそれ以前
    • R08/16/32/120PCPU ファームウェアバージョン "24" およびそれ以前
    • R08/16/32/120PSFCPU ファームウェアバージョン "06" およびそれ以前
    • R16/32/64MTCPU 本体 OS ソフトウェアバージョン "21" およびそれ以前
  • Qシリーズ
    • Q03UDECPU および Q04/06/10/13/20/26/50/100UDEHCPU シリアル No. の上 5桁が "22081" およびそれ以前
    • Q03/04/06/13/26UDVCPU シリアル No. の上 5桁が "22031" およびそれ以前
    • Q04/06/13/26UDPVCPU シリアル No. の上 5桁が "22031" およびそれ以前
    • Q172/173DCPU-S1 本体 OS ソフトウェアバージョン "V" およびそれ以前
    • Q172/173DSCPU 本体 OS ソフトウェアバージョン "W" およびそれ以前
    • Q170MCPU 本体 OS ソフトウェアバージョン "V" およびそれ以前
    • Q170MSCPU(-S1) 本体 OS ソフトウェアバージョン "W" およびそれ以前
    • MR-MQ100 本体OSソフトウェアバージョン "E" およびそれ以前 (*海外一部地域専用品)
  • Lシリーズ
    • L02/06/26CPU(-P) および L26CPU-(P)BT シリアル No. の上 5桁が "23121" およびそれ以前
ファームウェアバージョン、本体 OS ソフトウェアバージョン、シリアル No. 等の確認方法については、開発者が提供する各製品のマニュアルを確認してください。マニュアルは、ダウンロード | 三菱電機FAから入手できます。

詳細情報

三菱電機株式会社が提供する MELSEC iQ-R、Q および L シリーズの CPU ユニットには、リソース枯渇の脆弱性 (CWE-400) が存在します。

想定される影響

遠隔の第三者によって細工されたパケットを受信すると、Ethernet 通信がサービス運用妨害 (DoS) 状態となる可能性があります。
なお、復旧にはリセットが必要です。

対策方法

アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、アップデートが可能か否かを確認してください。
アップデートが可能な場合は、ダウンロード | 三菱電機FAから対策済みバージョンのアップデートファイルをダウンロードし、アップデートしてください。
アップデート方法の詳細は、開発者が提供する次のマニュアルを参照してください。

  • MELSEC iQ-R ユニット構成マニュアル 「付 2 ファームウェアアップデート機能」
  • MELSEC iQ-R モーションコントローラ プログラミングマニュアル(共通編) 「8.4 本体OSソフトウェアのインストール」
  • Q173D(S)CPU/Q172D(S)CPU モーションコントローラ ユーザーズマニュアル 「5.3 本体OSソフトウェアのインストール手順」
  • Q170MCPU モーションコントローラ ユーザーズマニュアル 「5.3 本体OSソフトウェアのインストール手順」
  • Q170MSCPU(-S1) モーションコントローラ ユーザーズマニュアル 「5.3 本体OSソフトウェアのインストール手順」
  • MR-MQ100 Motion Controller User’s Manual (Details) 「5.3 Operating System Software Installation Procedure」
ワークアラウンドを実施する
アップデートを適用できない場合には、次の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。
  • 当該製品をインターネットに接続する場合には、ファイアウォールや仮想プライベートネットワーク (VPN) などを使用する
  • 当該製品を LAN 内での使用に限定し、信頼できないネットワークやホストからのアクセスを制限する
後続製品への移行を検討する
MELSEC Q シリーズおよび L シリーズでアップデート対象外の場合、本脆弱性の対策がされている MELSEC iQ-R シリーズへの移行をすると、本脆弱性の影響は受けません。

詳しくは、開発者が提供する情報を参照してください。

参考情報

  1. ICS Advisory (ICSA-20-303-01)
    Mitsubishi Electric MELSEC iQ-R, Q and L Series

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
基本値: 7.5
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)

謝辞

この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者が JPCERT/CC に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2020-5652
JVN iPedia

更新履歴

2020/10/30
[参考情報]に ICS Advisory のリンクを追加しました
2021/05/18
[影響を受けるシステム]と[対策方法]を更新しました
2022/01/13
[影響を受けるシステム]と[対策方法]を更新しました
2022/03/29
[影響を受けるシステム]と[対策方法]を更新しました
2024/09/05
[影響を受けるシステム]と[対策方法]を更新しました