JVNVU#970180
Adobe Reader および Acrobat における customDictionaryOpen() と getAnnots() に脆弱性
Adobe Reader および Acrobat には JavaScript メソッドである customDictionaryOpen() と getAnnots() に脆弱性が存在します。
- Adobe Reader および Acrobat (Pro, Pro Extended, and Standard) version 9.1 およびそれ以前
- Adobe Reader および Acrobat (Pro, 3D, and Standard) version 8.1.4 およびそれ以前
- Adobe Reader および Acrobat (Pro, 3D, and Standard) version 7.1.1 およびそれ以前
Adobe Reader および Acrobat は、Portable Document Format (PDF) ドキュメントを閲覧および編集するためのソフトウェアです。また、ウェブブラウザにおいて PDF ドキュメントを閲覧するためのプラグインも提供されています。
Adobe Reader および Acrobat は JavaScript をサポートしています。JavaScript メソッドである、customDictionaryOpen() と getAnnots() の引数処理に問題があり、任意のコードを実行される可能性があります。
2009年4月29日現在、Linux 上での Adobe Reader 9.1 および 8.1.4 に対する攻撃コードが公開されていること、GNU/Linux および Windows 上で細工された getAnnots() を含んだ PDF ファイルを処理する際にアプリケーションがクラッシュすることが確認されています。customDictionaryOpen() への攻撃活動は確認されていません。
細工された PDF ドキュメントをユーザが閲覧した場合に、任意のコードを実行される可能性があります。
アップデートする
Adobe が提供する情報をもとに最新版へアップデートしてください。
ワークアラウンドを実施する
対策版を適用するまでの間、以下の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。
- dobe Reader および Acrobat で JavaScript を無効化する
- ェブブラウザ上での PDF ファイルの表示を無効化する
PDF 表示の無効化の設定方法は、ウェブブラウザにより異なります。 - 不審な PDF ファイルを開かない
不審なメールに添付されている PDF ファイルを開いたり、不審なウェブサイトに掲載されている PDF ファイルを開かないようにする。 - Annots.api のファイル名を変更する、またはファイルを削除する
本ワークアラウンドは getAnnots() メソッドへの対策であり、customDictionaryOpen() における脆弱性への対策ではありません。
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US-CERT Vulnerability Note VU#970180
Adobe Reader and Acrobat customDictionaryOpen() and getAnnots() JavaScript vulnerabilities
2009.04.30における脆弱性分析結果
評価尺度 | 攻撃成立条件 | 評価値 |
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攻撃経路 | インターネット経由からの攻撃が可能 |
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認証レベル | 匿名もしくは認証なしで攻撃が可能 |
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攻撃成立に必要なユーザーの関与 | リンクをクリックしたり、ファイルを閲覧するなどのユーザ動作で攻撃される |
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攻撃の難易度 | 専門知識や運がなくとも攻撃可能 |
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JPCERT 緊急報告 | |
JPCERT REPORT | |
CERT Advisory | |
CPNI Advisory | |
TRnotes | |
CVE |
CVE-2009-1492 [[CVE-2009-1493:http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2009-1493]] |
JVN iPedia |
JVNDB-2009-001287 [[JVNDB-2009-001288:http://jvndb.jvn.jp/jvndb/JVNDB-2009-001288]] |
- 2009/05/13
- 更新プログラムに関する記述を追記し、関連文書に CVE を追加しました。
- 2009/05/20
- 対策方法を更新しました。
- 2009/06/17
- 影響を受けるシステムの誤植を修正しました。
- 2009/06/26
- 関連文書に JVN iPedia へのリンクを追加しました。