公開日:2016/10/26 最終更新日:2016/10/31

JVNVU#97645703
TrackR Bravo に複数の脆弱性

概要

TrackR Bravo には、機密情報の漏えいや認証欠如の問題を含む複数の脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

  • TrackR Bravo

詳細情報

TrackR Bravo には、次の複数の脆弱性が存在します。

ファイル内またはディスク上の平文保存 (CWE-313) - CVE-2016-6538
The TrackR Bravo mobile app は、Cloud API 認証に使用するパスワード情報を cache.db ファイルに平文で保存しています。

情報漏えい (CWE-200) - CVE-2016-6539
TrackR デバイス ID は、製造者 ID であるゼロ 4桁の後ろに BLE MAC address を逆向きにしたものを付け足した形で構成されています。BLE MAC address は Bluetooth デバイスに近づくことで取得可能であり、したがって TrackR デバイス ID を推測可能です。TrackR デバイス ID は、デバイスの追跡に使用される可能性があります。

重要な機能に対する認証欠如の問題 (CWE-306) - CVE-2016-6540
開発者が提供している本製品のクラウドサービスに対し、TrackR デバイス ID を使用して認証なしに GPS データの問い合わせや送信が可能です。

重要な機能に対する認証欠如の問題 (CWE-306) - CVE-2016-6541
TrackR デバイスは認証なしにペアリングを行うことが可能であり、ペアリングしたアプリケーションから TrackR デバイスの様々な属性を書き換えることが可能です。

想定される影響

遠隔の第三者によって、ユーザの同意なく、位置情報を追跡される可能性があります。

対策方法

2016年10月26日現在、対策方法は不明です。

[2016年10月31日 更新]
アップデートする
開発者が提供する情報をもとに、TrackR アプリを最新版にアップデートしてください。
TrackR version 5.1.6 for iOS および TrackR version 2.2.5 for Android で、CVE-2016-6538 が修正されています。

詳しくは、TrackR Information for VU#617567 をご確認ください。

ベンダ情報

ベンダ リンク
TrackR TrackR bravo

参考情報

  1. CERT/CC Vulnerability Note VU#617567
    TrackR Bravo contains multiple vulnerabilities
  2. Rapid7 Community and Blog
    Multiple Bluetooth Low Energy (BLE) Tracker Vulnerabilities

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:N
基本値: 4.8
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:P/A:N
基本値: 5.8
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

この CVSS は CVE-2016-6540 について評価したものです。

謝辞

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2016-6538
CVE-2016-6539
CVE-2016-6540
CVE-2016-6541
JVN iPedia

更新履歴

2016/10/31
対策方法を更新しました