JVNVU#98923085
ShareLaTeX に複数の脆弱性
ShareLaTeX は、LaTeX ドキュメントを共同作業するためのサーバベースのソフトウェアです。ShareLaTeX には、ディレクトリトラバーサルの脆弱性およびコマンドインジェクションの脆弱性が存在します。
影響を受けるバージョンは脆弱性によって異なります。
ディレクトリトラバーサル (CWE-22)
- ShareLaTeX 0.1.3 およびそれ以前
- ShareLaTeX 0.1.3 より前のバージョン
ディレクトリトラバーサル (CWE-22) - CVE-2015-0933
ShareLaTeX は、\include{}
に絶対パスを含めることを許可しています。絶対パスを含んだ \include{}
が処理されると、絶対パスで指定されたファイルの内容がドキュメント内に反映されます。その結果、ログイン可能なユーザによって、他のユーザの情報や ShareLaTeX がインストールされたサーバの情報を取得される可能性があります。
コマンドインジェクション (CWE-77) - CVE-2015-0934
ShareLaTeX は、ファイル名からバッククォートを適切にフィルタリングしないため、ログイン可能なユーザによって、ShareLaTeX プロセスの権限を使用し、サーバ上で任意のコマンドを実行される可能性があります。
CVE-2015-0933 では、ログイン可能なユーザによって、他のユーザの情報や ShareLaTeX がインストールされたサーバの情報を取得される可能性があります。取得されたユーザアカウントなどの情報は、その後のサーバに対する攻撃に使用される可能性があります。
CVE-2015-0934 では、ログイン可能なユーザによって、ShareLaTeX プロセスの権限を使用し、サーバ上で任意のコマンドを実行される可能性があります。
ShareLaTeX 0.1.3 では、ユーザ登録はメールアドレスの登録のみによって行われ、モデレータや管理者の承認を必要としません。そのため、匿名のユーザによる攻撃を受ける可能性があります。
アップデートする
CVE-2015-0934 については ShareLaTeX 0.1.3 で修正されています。
開発者が提供する情報をもとにアップデートしてください。
ワークアラウンドを実施する
2015年3月5日現在、CVE-2015-0933 について開発者から脆弱性の修正は提供されていません。
次のワークアラウンドを実施することで、本脆弱性の影響を回避することが可能です。
- ShareLaTeX がインストールされたサーバ上で LaTeX の設定ファイルを変更する。
ベンダ | リンク |
ShareLaTeX | ShareLaTeX, the Online LaTeX Editor |
-
CERT/CC Vulnerability Note VU#302668
ShareLaTeX vulnerable to remote command execution and information disclosure -
GitHub
sharelatex/sharelatex at v0.1.3 -
GitHub
Securing LaTeX - Production Installation Instructions
2015.03.05における脆弱性分析結果(CVSS Base Metrics)
評価尺度 | 評価値 | 説明 | ||
---|---|---|---|---|
攻撃元区分(AV) | ローカル (L) | 隣接 (A) | ネットワーク (N) | ネットワーク経由でリモートから攻撃可能 |
攻撃条件の複雑さ(AC) | 高 (H) | 中 (M) | 低 (L) | 攻撃成立に必要な条件はない |
攻撃前の認証要否(Au) | 複数 (M) | 単一 (S) | 不要 (N) | 認証は不要 |
機密性への影響(C) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) | 一部の情報が漏えいする |
完全性への影響(I) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) | 情報の正確さや完全さが部分的に損なわれる |
可用性への影響(A) | なし (N) | 部分的 (P) | 全面的 (C) | システムの使用は阻害されない |
Base Score:6.4
分析結果のコメント
この CVSS の評価は CVE-2015-0934 に基づいて行ったものです。
JPCERT 緊急報告 |
|
JPCERT REPORT |
|
CERT Advisory |
|
CPNI Advisory |
|
TRnotes |
|
CVE |
CVE-2015-0933 |
CVE-2015-0934 |
|
JVN iPedia |
|