公開日:2020/03/30 最終更新日:2020/03/30

JVNVU#99396686
トヨタ自動車製 DCU (ディスプレイコントロールユニット) に脆弱性

概要

トヨタ⾃動⾞製 DCU (ディスプレイコントロールユニット) には、BlueBorne の脆弱性に起因する脆弱性が存在します。

影響を受けるシステム

次の該当地域および期間に製造された車両に搭載されている 2017年製 DCU

  • 車種: LC、LS、NX、RC、RC-F、CAMRY、SIENNA
  • 期間: 2016年10月から2019年10月
  • 地域: 日本以外の全地域
詳しくは、【ベンダ情報】をご確認ください。

詳細情報

トヨタ⾃動⾞が提供する DCU には、BlueBorne の脆弱性に起因する脆弱性が存在します。

想定される影響

第三者によって、DCU に対してサービス運⽤妨害 (DoS) 攻撃が行われたり任意のコマンドを実⾏されたりする可能性があります。
また、DCU を経由して⾞両に対する操作が⾏われる可能性があります。
開発者によると、走る、曲る、止まるといった車両運動制御には影響しない事を確認済みとのことです。

詳しくは、【ベンダ情報】および【参考情報】をご確認ください。

対策方法

アップデートする
開発者によると、本脆弱性に対応した DCU のアップデートを提供しているとのことです。

詳しくは、【ベンダ情報】をご確認ください。

参考情報

  1. Tencent Keen Security Lab
    Experimental Security Assessment on Lexus Cars
  2. JVNVU#95513538
    様々な Bluetooth 実装に複数の脆弱性[緊急]
  3. CERT/CC Vulnerability Note VU#240311
    Multiple Bluetooth implementation vulnerabilities affect many devices

JPCERT/CCからの補足情報

JPCERT/CCによる脆弱性分析結果

CVSS v3 CVSS:3.0/AV:A/AC:H/PR:N/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:L
基本値: 8.2
攻撃元区分(AV) 物理 (P) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 低 (L)
必要な特権レベル(PR) 高 (H) 低 (L) 不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI) 要 (R) 不要 (N)
スコープ(S) 変更なし (U) 変更あり (C)
機密性への影響(C) なし (N) 低 (L) 高 (H)
完全性への影響(I) なし (N) 低 (L) 高 (H)
可用性への影響(A) なし (N) 低 (L) 高 (H)
CVSS v2 AV:A/AC:H/Au:N/C:C/I:C/A:P
基本値: 6.5
攻撃元区分(AV) ローカル (L) 隣接 (A) ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC) 高 (H) 中 (M) 低 (L)
攻撃前の認証要否(Au) 複数 (M) 単一 (S) 不要 (N)
機密性への影響(C) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
完全性への影響(I) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)
可用性への影響(A) なし (N) 部分的 (P) 全面的 (C)

分析結果のコメント

あらかじめ車両や車両部品の内部構成に関する情報を入手し、対象となる車両の DCU に Bluetooth 接続して車載システムの ECU に対し診断用コマンドを送信する攻撃を想定しています。
また、安全性に関わる可用性 (走る、曲る、止るといった車両運動制御) には影響がないとの開発者からの情報にもとづき、可用性への影響を Low/Partial としています。

謝辞

この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者が JPCERT/CC に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。

関連文書

JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE CVE-2020-5551
JVN iPedia